隠しているわけでもなんでもないのですが、じつは早稲田法学部出身です。だからといってなんてことないのですが、最近「うちの子、どうやったら早稲田に合格できますか?」と聞かれることが多いので、ちょっとまとめてみました。
ちょっと昔の情報になりますが、いまでも応用できると思いますよ。少しでも参考になれば。
スペック
まずはぼくのスペックといいますが、受験に関する諸情報です。
- 早稲田大学 法学部 現役合格
- 塾、家庭教師なし(模試だけ参加)
- 受験科目:英語、国語、政治経済
- 地方の公立高校出身
早稲田現役合格の秘訣1:高校選びはかなり大事。地域の公立トップ校を目指せ。
おそらくこの記事を目にされているときは、大学受験を意識されているときだと思うので、「いまさら言われても遅いわ」という感じかもしれませんが、「高校選び」はかなり重要です。地方であれば、公立トップ校を目指すべき。私立であれば、早稲田や慶応を狙う子が30人くらいいる学校であれば、かなり有利に戦えます。
親が早稲田だと子も早稲田に受かりやすいのはなぜ?
じつは早稲田に入ってわかるのですが「親も早稲田」というのは結構います。でもこれ遺伝とかじゃないんですよ。
大事なのは「早稲田にいく」というのが雲の上の出来事ではない、ということなんです。当たり前とまではいいませんが、「がんばれば行けるでしょ」くらいの感覚になれるかなれないか、が大きな差になります。
先生もそれなりに知識を持っている
あと一学年に30人くらい早稲田を狙う子がいる学校は、先生もある程度の知識があります。
勉強の教え方ももちろんですが、「早稲田に受かっていく子はだいたいこんなレベルだよなー」という感覚値。これが大事。それを引き出す!聞き出す!先生が感覚で持っている合格ラインと自分がどれくらい離れているのかを常に意識することが大事です。
というわけで、いまもしそういう高校にいけているのであれば、かなり有利なのでその環境を活かすこと。もし行けていないのであれば、現役予備校などの特別講習を受けてみるのも手かも。でもそのときは講習を受けるだけで満足しないで、先生に感覚値を聞きまくってくださいね。
あとでまた書きますが、早稲田に現役合格ってぜんぜんすごくないので、それは勇気を持ってください。本気で行きたければ絶対行けるレベル。そもそも日本の大学に、本気で行きたくても行けない大学はありません(お金、学費は別)。
早稲田現役合格の秘訣2:科目別の割り当て点数を知る
さていよいよ本題です。まず行きたい学部の赤本を買ってください。これです。
もちろん過去問としても利用するのですが、そんなことよりまず大事なのが、赤本のどこかに書いてある「科目別の割り当て点数」を確認してください。
全体の7割を得点できれば合格と言われている
これは早稲田に限らないのですが、全体の7割を得点できれば合格できる、と言われています。早稲田法学部の場合は、英語と国語が必須科目で、あと世界史、日本史、政治経済から1科目選択でした(当時)。
ただ気をつけないといけないのが、各科目の割り当て点数。じつは英語60点、国語50点、選択科目40点の合計150点満点の試験なんです(これも当時)。
そして全体の7割は合格ラインとしたら、合格するには、150点の7割、つまり105点になります。110点取れればほぼ間違いなく合格ですね。この105点から110点をどの科目でどうとるかが合格へのキモになるんです。
私立の国語は5割しか取れない、が原則
ちなみに、私立の国語は予備校でも解答が割れるほど奇問が多いので、5割しか取れない前提で考えます(このあたりはまた後ほど)。つまりは国語は25点しか取れないということです。
自然に「英語を制するものが受験を制す」になってしまう。
あと残るは、英語と選択科目。でもこの二つの科目は、そもそも持っている点数が違いすぎます。英語は60点あるのに、選択科目は40点しか持ち点がないです。選択科目はどんなに頑張っても40点しか取れないんです。ということは、やっぱり英語に力を入れるしか合格する道はありません。ということになるんですよね。
早稲田現役合格の秘訣3:選択科目の選択も大事。選び方は得意だけじゃない。
次に大事になるのが、選択科目の選び方。え?得意な科目を選べばいいんじゃないの?という意見ももちろんあり。でもそうじゃない選び方もあります。
科目選択(世界史、日本史、政治経済のいずれか)、実は平均点違うんですよ。
早稲田法学部の入試科目は、先に書いた通り英語と国語が必須。それに世界史、日本史、政治経済の中から1科目選択です(当時)。でもこれは言われてみれば当たり前ですが、世界史と日本史と政治経済の平均得点って実は違うんですよ。
だから??という方へ、もっと詳しく説明しますね。たとえば世界史の平均得点が40点満点中25点だとします。そして日本史の平均点が24点、政治経済が28点だとします。これってどれが有利かわかりますか?そうです、政治経済なんです。日本史よりも4点、世界史よりも3点平均点が高い。これは圧倒的に合格に有利です。
もちろんこの年ごとにその平均点は変わります。ただ・・・・・ぼくが受験したときは、過去すべて政治経済だけ平均点が3−4点高かったのです!それに気づいたのが高三の夏。しかも政治経済の教科書の情報量が世界史、日本史に比べて圧倒的に少ない。ちょっとギャンブルでしたが、その時点で選択科目を政治経済に決めました。(日本史の授業中もひたすら政治経済の自習時間に・・・・先生ごめんなさい。)
早稲田現役合格の秘訣4:科目別対応方法とオススメ参考書
つぎに科目別の対応方法です。オリジナルの方法なので自分に合う方法を探してくださいね。
【英語】:とにかく読解スピード。早稲田の英語は長文で決まる。
何よりも大事な英語。英語で合格が決まります。英語で8割取れなかったらかなり厳しいです。8割5分めざしましょう。なかでも長文の読解力が勝負です。というわけで、長文対策はこちら。
1:単語を覚える。ただしフレーズで。
読解力は覚えている単語数でかなり差がでます。ただ単語はフレーズで覚えてください。ぼくが使ってたのはこれ。これの古いバージョンですね。
この参考書のいいところは、単語を1語ずつ覚えるのではなくて、フレーズで覚えるところ。一つのフレーズにいくつか単語が入っているし、フレーズで覚えるので使い方も一緒に覚えられます。これはとにかく何度も何度もやって覚える。最後は使いすぎて膨らんで2倍くらいの厚さになるくらいまで覚えること。
2:長文は、1回目で構成を押さえながら読む。
これは訓練が必要ですが、it や that や this という単語が出てきたら、つねに問題文の中で、線を引っ張りながら、紐づけて読んでいくんです。そのときは意味がわからなくても大丈夫。
でもそのit や that や thisがどの部分をさしているのかを、最初にひもづけておくと、あとで問題を解くときにもう一度読み直さなくてすみます。この時間短縮が合否をわけます。とにかく時間がないので。
3:国際基督教大の超超長文の過去問で練習する
気分転換におすすめなのがこちら。国際基督教大の英語の長文をとく。これ、日本で一番長いと言われている超超長文なんです。これに慣れたら、早稲田の長文なんで余裕です。でも問題の質が違うので、あくまでも長文に慣れる、構成をつかみながら読む練習として。
【国語】古文と漢文は落とさないように。現代文は・・・・
さきに書きましたが、現代文は予備校でも解答が割れるので、もう諦める。その代わり古文漢文は簡単なので、ここは落とさないように。古文はもはやルールなのでそのルールを覚えればいいだけなのですが、このあたりもオススメ。
あっ、でも現代文はこの参考書はすごいよかった!こうやって考えるんだーって新鮮でしたよ。英語の長文の解き方に似ているかも。話し言葉で書いてある本なので読みやすいです。
【政治経済】インプットも大事だけどアウトプットを意識する
この科目は英語や国語とちょっと違うんですよね。読解力とかいらないんです。ひたすら記憶したものを吐き出すか、という勝負になってきます。その意味では、インプットも大事ですがアウトプットを鍛えるのが超大事ですね。
オススメは、自分で授業をしてみること。ホワイトボードとかあればなおよし。ぼくも放課後の教室の黒板で一人授業してましたよ。これやってみたらわかりますが、「教える」ってすごい難しいですよ。全体をつかんでないと教えられないんです。
そうやって教えるのに「詰まった」ところをインプットしていく。そういう流れがいいと思います。そして最強の参考書がこちら。
これはもう愛してやまない。最高の参考書。大事なところをしっかりまとめられていて、しかも欄外にこまかーーーーく書いてある補足が、また私立向け!
あっそうそう、私立の社会は難問奇問と言われていて、重箱のすみのすみをつつくような問題があります。もちろんそういった問題をぜんぶ正解するのは不可能。でもこれを全部捨てたらそれはそれでかなり危険。
そういった難問奇問対策にこの参考書の「補足」がいいんです。ぼくも覚えているのがあって、入試で「日本銀行は1995年に公定歩合を○%に修正した。○に適切な数字を書け。」みたいな穴埋め問題がありました。こんなのまじで難問の類。でもそれ本当にこの参考書の補足に書いてあったんですよー。
あとこの参考書はインプット用とアウトプット用があるので、両方買ってください。(いまはないかも。。。でも清水先生は信頼して大丈夫!彼の参考書は全部買っていいかも。)
*このレビューウケる・・・まさにこの通り。
早稲田現役合格の秘訣5:塾はいらない、でも模試は受けよう。早稲田模試は必須。
早稲田現役合格に塾はいりません。でも模試は受けましょう。とくに早稲田に対応した模試、通称早稲田模試は1回は必ず受けましょう。
早稲田を狙っている人だけの空気を感じる
この早稲田模試の一番の目的は、会場に早稲田を狙っている人しかいない、という空気を感じることです。ここでビビらない。慣れる。最初はやっぱりビビります。よく言われる「全員賢そうに見える」あれです。でも早稲田模試で大事なのは、「模試が始まったら自分のペースで集中できることを覚える」ことです。
というわけで、この模試は結果はどうでもいいです。どんなに緊張しても開始の合図で自分のペースに入れるかどうか。それだけを意識してください。緊張してペースがつかめなかった、ということであれば、つかめるまで何度も受けてくださいね。模試はそのためにある。ぼくらのときはZ会が早稲田模試やってましたね。
Z会は模試も有効活用したいのですが、じつは教材も結構おすすめです。とくに難関大学向けにはかなり傾向と対策が練られています。その経験があるので、うちの子はZ会の幼児コースやらせています。
早稲田現役合格の秘訣おまけ1:国立二次やセンター試験とは別物と考える
国立併願のかたも多いと思いますが、これは残念ながら国立と私立の入試はまったく別の試験と考えたほうがいいと思います。傾斜配点も違うし、そもそも傾向も違う。深堀りすべきところ、対応範囲を広げるべきところが全然違うので。
早稲田現役合格の秘訣おまけ2:私立だから定員の2倍近く合格できる。
メンタル面で勇気付けられるのですが、早稲田は私立なので、国立に合格した人から辞退されることも多いです。というわけで、定員の2倍くらいは合格します。ぼくのときは定員900人に1800人ほど合格してました。実質の倍率は見た目の倍率の半分程度ですね。
おまけ:学部ごとの特徴を少しだけ。
同じ早稲田でも結構特徴があっておもしろいですよー。かといってどうでもいいことですけどね。
共通
入学してすぐに「おれ東大落ちたんだよねー」という人がいる。どうでもいい会話だが大丈夫。2ヶ月経てばそんなこと言う人はいなくなる。
政治経済学部
筆頭学部としてのプライドが高い。特に政治学科は自分たちをTOP of TOPだと思っている。「早稲田なの?」のあとに、「学部は?」と聞かれることが快感。
法学部
「典型的な早稲田」と言われることが多い。他人の学部に興味がない。入学当初、司法試験希望者がやたら多くて若干引くが、3ヶ月でほとんどがあきらめる。
商学部
特記事項なし。
教育学部
少し学部にコンプレックスあり。
社会科学部
学部にコンプレックスあり。(あくまでも当時の話。今はだいぶ雰囲気が変わっているようです。)
文学部
異文化。特殊な感性を感じる。
理工学部
唯一の理系学部。同じ早稲田という認識がない。ただ「優秀な人たち」というリスペクトはあり。
最後に
モチベーションが高まったところに、こんなこと言うのはなんですが、早稲田に合格した瞬間は最高にうれしかったのですが、入学してしまえばなんてことなかった、というのがじつのところ正直な感想。
もちろん友達は最高だし、就職ははっきり言ってかなり有利だし、図書館は国会図書館についで国内2番目の蔵書数だし、6大学野球盛り上がるし、早稲田という大学は大好き。
じゃあ何を言いたいかというと、早稲田合格を最終ゴールにしちゃうと、もったいないなーということ。早稲田に入れたから経験できることって山のようにあるので、その特典をたくさん味わってほしいなと思います。
ぜひがんばって合格をつかんで早稲田ライフを楽しんでくださいね!
実際につかった参考書まとめ
最後に実際につかって効果があった参考書をまとめておきます。
うちの娘は年長さんからZ会にお世話になることに。
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Z会幼児コースの体験口コミレビュー(年長編):子ども向けの問題の質やレベルもいいけど「習慣づくり」に最高。親向けの教え方(補足教材)もうれしい。
東大理科三類に最高得点で合格した話
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東大理科3類に現役かつ最高得点で合格した話。そしておすすめの勉強方法。