30秒でわかるこの記事のまとめ
- 「複利」とは、儲かったお金を全部もう一回投資にまわして得られる利益
- 日本人とアメリカ人が同じお金を貯金した場合アメリカ人が10年で20倍もお得になっている
- 「複利」を味方にするなら投資信託もおすすめ
投資とか運用とかいう話になるとよく目にするけど、いまいち意味がよくわからない言葉に「複利(ふくり)」があります。ぼくも知っているようで本当の意味がわかっていませんでした。でもお金を貯めていくにはとても大事な考え方で、お金持ちはみんな「複利」の力を活用しています。
今回は「複利」の意味と、その効果をわかりやすく解説します。
複利とは複数回の利回り
ごくごく簡単に言うと、「複利」とは儲かったお金を全部もう一回投資にまわして得られる利益」という意味です。
複利をパパのお小遣いで考える
といってもやっぱりわかりづらいので、パパのお小遣いで考えます。
いまパパのお小遣いが月に30,000円だとします。家計を管理しているママにお小遣いの値上げの交渉がありました。
と提案されたとします。
これで来年のパパのお小遣いは33,000円になります。やりました!
でもパパはこう続けました。
さあどうしましょう。
毎年3,000円と毎年10%は全然違う
お小遣いが毎年3,000円アップするのと、毎年10%アップするのは全然違います。それを表にしてみました。
毎年3,000円 | 毎年10% | |
1年目 | 30,000円 | 30,000円 |
2年目 | 33,000円 | 33,000円 |
3年目 | 36,000円 | 36,300円 |
4年目 | 39,000円 | 39,930円 |
5年目 | 42,000円 | 43,923円 |
6年目 | 45,000円 | 48,315円 |
7年目 | 48,000円 | 53,146円 |
8年目 | 51,000円 | 58,461円 |
9年目 | 54,000円 | 64,307円 |
10年目 | 57,000円 | 70,738円 |
3年目4年目くらいまではそれほど大きな差はありませんが、10年目になると毎月13,000円もお小遣いの金額が違います。じつはこれが「複利」なんです。
複利は%(パーセント)のときに出てくる考え方
複利はパパのお小遣いでもそうでしたが、「毎年○○円」というときには出てきません。「毎年○%」というときに登場してくる考え方です。
そして複利の効果は、年数が増えるごとにどんどんその差が大きくなっていくんです。さっきのお小遣いの表でも、3年目とか4年目よりも10年目のほうが大きな差になっていましたよね。慣れないうちはなんだかダマされているような気分になると思います。
おなじみのクイズも複利です
こんなクイズがあったと思います。
これも複利なんです。毎日200%になっていくというとんでもない複利です。これも表にしてみました。1日目1円だったお小遣いは15日目には16,384円になってしまいました。
1日目 | 1円 |
2日目 | 2円 |
3日目 | 4円 |
4日目 | 8円 |
5日目 | 16円 |
6日目 | 32円 |
7日目 | 64円 |
8日目 | 128円 |
9日目 | 256円 |
10日目 | 512円 |
11日目 | 1,024円 |
12日目 | 2,048円 |
13日目 | 4,096円 |
14日目 | 8,192円 |
15日目 | 16,384円 |
複利に味方になってもらう方法
ここまで読んでいただいた方はもしかしたら
とお感じになるかもしれません。
お金を増やす、お金を貯めるというときには、複利に味方になってもらうことが大事になります。どうやったら味方になってもらえるかというとポイントがあります。
- 運用して増えたお金(利息など)を引き出さずにそのまま全額を運用する
- 長期で運用する
これだけです。この2つのポイントで複利が味方になってくれるんです。
もっと具体的にいうと、最初は10,000円で運用して一年後に10,500円になったら増えた500円を引き出さないで、2年目は10,500円で運用する、それを毎年繰り返していく、という方法です。
アメリカの銀行と日本の銀行どちらがお得?
ここでアメリカの銀行と日本の銀行にお金を預けるのはどちらがお得か調べてみました。
日本の銀行の金利は0.01%(定期預金)
いま日本の銀行に定期預金でお金をあずけておくとどれくらいの利息がつくかご存じですか?0.01%です。うそのような数字です。もし100万円定期預金に預けておいたら、1年後に増えているお金はたったの100円です。
普通預金の金利はさらに低い0.001%です。
アメリカの定期預金の金利は2.0%
でもアメリカの銀行に定期預金でお金を預けていたら1年後に2.0%の利息をつけてもらえます。100万円預けたら1年後にもらえるお金は2万円です。その差200倍です。
儲かったお金も全部もう一度定期預金へ。それを10回繰り返す。
100万円を預けて儲かったお金をまた定期預金にいれるとします。受け取れるお金は、日本の銀行に預けておいた場合は1,000,100円です。アメリカの銀行に預けていた場合は1,020,000円です。
そしてまたまた儲かったお金を全額定期預金にいれるとします。2年後に受け取れるお金は、日本の銀行に預けておいた場合は1,000,200円です。アメリカの銀行に預けていた場合は1,040,400円です。
それを10年繰り返すと・・・・・日本の銀行に預けていた人は1,001,000円になりました。でもアメリカの銀行に預けていた人は、なんと120万円を超える金額になってしまいました。
日本の銀行 | アメリカの銀行 | |
最初のお金 | 1,000,000円 | 1,000,000円相当 |
1年後のお金 | 1,000,100円 | 1,020,000円相当 |
2年後のお金 | 1,000,200円 | 1,040,400円相当 |
・・・・ | ・・・・ | ・・・・ |
10年後のお金 | 1,001,000円 | 1,218,994円相当 |
10年国債なら2.83%が確定
もし10年間使わなくていいお金だったら、10年国債といわれる「10年後に返してもらえるアメリカ国債」もおすすめです。簡単にいうと、アメリカという国に対して10年間お金を貸す、という意味です。
じつは10年国債の利回りは2.83%。毎年2.83%が利息でもらえます。それを先ほどの表に当てはめると10年後は・・・・・・
金額 | 累計利回り | |
最初のお金 | 1,000,000円相当 | |
1年後 | 1,028,300円相当 | 2.83% |
2年後 | 1,057,401円相当 | 5.74% |
・・・ | ・・・ | ・・・ |
10年後(満期) | 1,321,899円相当 | 32.1% |
これが複利の力
複利はさきほどの表にもあるように、時間がたてばたつほどどんどん効果が大きくなるんです。「投資に勝つ秘訣は早くはじめること」と言われるのもここにあります。
毎年100万円ずつ米国債を10年間買う、というシミュレーション
もし毎年100万円ずつ10年米国債を10年間買い続けたとします。するとあくまでも理論上ですが、国債の満期がはじまる11年目から20年目まで毎年130万円のお金を受け取れることになります。こういうイメージです。
10年国債は、10年後に利息をつけて返してもらえる約束で国にお金を貸す金融商品です。
預けるお金 | 戻ってくるお金 | |
1年目 | 100万円 | |
2年目 | 100万円 | |
3年目 | 100万円 | |
4年目 | 100万円 | |
5年目 | 100万円 | |
6年目 | 100万円 | |
7年目 | 100万円 | |
8年目 | 100万円 | |
9年目 | 100万円 | |
10年目 | 100万円 | |
11年目 | 130万円 | |
12年目 | 130万円 | |
13年目 | 130万円 | |
14年目 | 130万円 | |
15年目 | 130万円 | |
16年目 | 130万円 | |
17年目 | 130万円 | |
18年目 | 130万円 | |
19年目 | 130万円 | |
20年目 | 130万円 | |
累計 | 1,000万円 | 1,300万円 |
累計で1,000万円の投資が1,300万円になってかえってきます。
上の表に税金は考慮していません。利益の20%程度(毎年6万円程度)は税金として考えておいたほうがいいと思います。
複利とは?まとめ。
- 複利とは、%(パーセント)で考えるときに出てくる考え方
- 複利は、年数が増えれば増えるほどその効果が大きくなっていく
- 金を増やしたり貯めたりするには、複利の力を借りることが大事
- 増えたお金をそのまま運用に回すことで複利に仲間になってもらえる
というのが、複利とは?のまとめでした。複利について「なんとなくだけどわかった!」という方が一人でもいらっしゃったらうれしいです。
今回は「「複利(ふくり)」でお金持ちになる方法。知らないと損する「複利」の意味を初心者向けにわかりやすく説明します。」という記事でした。
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複利運用に最適なのは投資信託です。自動的に複利運用にしてくれる投資信託が多いので初心者にもおすすめです。
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